4/12 『「柔らかいはず」が「折れるほど硬かった」——電池に育つリチウムの針、Scienceが衝撃の実態を報告』
【鈴木の独り言】
『「柔らかいはず」が「折れるほど硬かった」——電池に育つリチウムの針、Scienceが衝撃の実態を報告』FabScene
https://fabscene.com/new/news/lithium-dendrites-brittle-solid-state-battery-rice-uh-science-2026/amp/
これは「そういう物だろう」と思っていた事がしっかり検証されて出てきたという話だと思う。つまり、金属化合物の溶液から金属が析出する場合、表面にきれいに均質に析出させるのは非常に難しく、多くの金属は結晶系がそのまま針状や脆い結晶になって析出する。そりゃ針金のようにグニャグニャ曲がる物では無いだろうという感覚だった。
割と世間で誤解が有るのは、デンドライトが出来ると画鋲のようにセパレータなどを突き破ると言うイメージをもたれている所だ。実際は、セパレータの孔の中を縫って成長するというのが正解だろう。その上、一度析出した結晶は硬いので、セパレータが動くと折れる可能性が非常に高いというものだ。
この記事のデンドライトが「折れる」という点の他に注目すべきは、その折れたリチウム金属がそのまま「電気的に孤立した死んだリチウムとなる」という点だろう。セパレータ内で折れたリチウムがそのまま残留し、電池反応に寄与しなくなるという意味だ。
全固体電池ではセパレータが無く、固体電解質がその代わりとしてイオンを通し、正負極を隔てている。その固体電解質を突き破ると言うのは粒子状(針状)異物として突き破るだけの固さがあるという事なのだろうが、密着した電解質と負極リチウム間に析出したリチウムがこの電解質層を突き破るにはかなりの力が掛かる必要がある。硫化物系固体電解質は柔らかいが、それでも簡単には突き破ることが出来ないと思われる。
固体電解質内ではその粒界をリチウムデンドライトが成長しながら割っていく様だが、その固さと脆さ故、途中で折れてしまう物が多いという意味で理解出来る所だろう。最初から孔の空いているセパレータと大きな違いはそこだと考えて居る。
どちらがより安全で容量が大きいかと言う点で考えれば全固体電池一択だろう。全固体電池の製造コストの問題はとりあえず横に置いてくとして。


